働くママの見落とし
もし仕事をしていなかったら?
時代は令和。「妻が仕事を持っている」「夫が育児に参加する」こんなことは極々普通のことになりました。そんな時代ではあっても、やはり時には立ち止まって「もし・・・」と考える時間は必要です。
「仕事を持っている」「働いている」という事実が、ワーキングマザー達のスタートラインですね。でも、もし自分が仕事を持つ母親でなかったならば、どんな母親として、どんなふうに我が子に接し、どんなことをして、毎日の母子の時間を過ごしていただろうか?
こういうことをじっくりと、想像し、イメージしながら考えてみると、仕事と家事と育児に忙殺されている時間では、「見えていなかったこと、気づいていなかったこと」が見えてくるのではないでしょうか?
ちょっとホームコメディー的ではありますが・・・たとえばこんなこと。
「スーパーで買い物をした帰り。公園に立ち寄り、息子とベンチに座っておやつを食べる時間」「ケラッケラ笑って、粉まみれになりながら、娘と一緒にケーキ作りをしている時間」
そんな時間を想像して、「なんか・・・ばっかみたい・・・」なんて思わないでください。
その想像の世界の中のあなた、想像の世界の中の子ども達は、その時間にどんなことを話し、どんなことを考えたのでしょう?
その世界の中のあなたの笑顔は、子どもに語りかける言葉のトーンは、いつものあなたと同じですか?違いますか?子どもの言葉や表情はどうでしょう?
あなたがイメージした時間の中の「言葉、空気や表情」は、たぶん、現実の日常とは、少し違っていたかもしれません。
そしてもし、思いがけず時間が空いた時には、是非、その「想像した通りの時間」を過ごしてみるのはいかがでしょう?
想像の世界では、すこぶるハッピーな時間だったけれど、実際にやってみると、「もう、ジュースこぼしたわよ!よそ見しないで、飲む時は飲みなさい!」とか、「イヤダー、床が粉だらけでしょー!拭いて拭いて!」と、怖い顔で叱るのかもしれません。
イメージの中では、良い子で従順だった息子や娘が、憎まれ口をたたいて、かわいくないかもしれません。
でも、普段の生活には「ない時間」の中で気づいたこと、考えたこと、それらは、きっと日ごろの生活の中で「見落としてしまっていること」なのかもしれません。
クラスが始まる前の雑談で・・・
まどか先生:「あらまあMちゃん、あくびは飲み込みましょうよ。大口開けてのあくびは、さすがにお行儀悪いわよ。昨夜は遅かったのかな?」
年長児:「そうそう。昨夜はね、ママは飲み会があったから、パパにお願いして、夜更かししてママの帰りを待ってたの。昨日の飲み会は、ママのお気に入りの居酒屋だったんだって。」
この会話は、象徴的な一例です。
幼児教室マナーズが開校した約25年前当時は、4歳児や5歳児から、こういう言葉を聞くことは皆無でした。
Mちゃんがパパとお食事をしている姿。食べた食器をそろりそとりと、Mちゃんがキッチンまで運ぶ様子。パパがキッチンで食器洗いをしている時、その横でMちゃんがおしゃべりをしてる姿。ママの帰りを待ちたいとおねだりしている様子。すべてを想像すると、Mちゃんの愛らしさがにじみ出ているなあ、と本当に愛しくなります。
でも!
やっぱり、幼児期の子どもの、日常の会話の中で、「おやつ」「おひるごはん」「おひるね」と並んで、普通に「のみかい」「いざかや」というような言葉が使われていることは、やはりかなり奇異なことで、好ましいこととは言えません。
決して誤解のないように!「飲み会」「居酒屋」そのものを云々しているのではありません。しかし、繰り返しになりますが、幼児期の子どもの日常会話の中で、こういう言葉が平然と話されていることに「ズレ」を感じてもらえれば・・・と思います。
その他、注意をする点については、「文化、行事、四季を貴ぶ」を参照してください。
幼児教室マナーズでは、共働き家庭のパパ達、働くママ達と、たくさんのお話をします。たくさんのメールのやり取りもあります。受験や育児だけではなく、本当に「たくさんの、いろいろな話」をする関係だからこそ、見えてくるもの、があるのです。こういうまどか先生との時間は、受験準備を超えた、親としての深い学び、気づきの思い出ともなっていくでしょう。