こんなテストは、ちょっと苦手?!
働くママ達のイタタタタ・・・
家事、育児、そして仕事。妻、母、社会人。何て素晴らしい!でも、ウィークデーの大半の時間を「社会人」として過ごしている働くママ達に「げげっ、このテストの内容は・・・」と思わせるものもあります。知っておきましょう。
幼児期の子ども達は、何事にも興味津々です。
0歳児も、1歳児も、親の言葉、様子、行動を見て、その年齢なりに感じて、考えているのです。じゃあボクも!ワタシも!と思うから、親の真似をしたり、言葉を繰り返したりするのです。目を話すと危険だからと、常に母親の近くに連れていき、寝かせたり、座らせたり、遊ばせたりしていると、自分の遊びに熱中している時もあれば、親の動きを必死に見ていることもあります。
働くママ、ワーキングマザーの家庭の場合、子ども達にとってのこういう時間が、どうしても短くなります。
子ども達が3歳、4歳になると、もっといろいろなものに興味を示すようになり、よけいに手がかかるからという理由で、買い物もまとめて週末に済ませてしまったり、調理の間もテレビやタブレットを見せて、なるべくキッチンに来ないようにさせたり、子ども達が寝てからや起きる前に多くの家事を済ませてしまったり、ある意味、子ども達が興味津々になる「家庭生活からの学びのチャンス」を少なくしてしまっているのです。
まずは、こういうことを知っておきましょう。そして、少し面倒でも、休日は意識して、子どもと一緒に「家事」を行ってみてください。
ここでは、テストの一例を紹介しましょう。こういう系統のテストが、共働き家庭の子ども達の不得意なところ、となるようです。
1問目は、「個別テスト」での問題。先生と子どもが1対1。口頭のよるテストです。先生が、子どもに問いかけます。
☆問題☆
お台所から、カタカタカタ・・・という音が聞こえて来ましたよ。さあ、あなたはこの「カタカタ」という音は、いったい何の音だと思いますか?
このテストは、「生活習慣からの学び」「推理力」「言語分野の表現力」等、様々な要素を持った問題です。ポイントは、「お台所」からの音であること。そして、その音は、カチカチとかガシャンとかではなく「カタカタカタ」という音です。
出題された子どもは、ここでそのポイントをキャッチし、想像力をつかって考え・・・思いついたことを言葉で表現しなくてはなりません。
ここでは、その子が想像しているか、表現しようとしているか、が問われています。
まどか先生メソッドでは、子ども達にたくさん考えさせて、しっかりと自分の思いや考えを話させています。
この例題を、実際の年長児クラスで、カリキュラムの一つとして取り上げ、4人の子ども達に出題し、自由に話してもらいました。その時の子ども達の様子をご紹介しましょう。
子ども1:「まどか先生、オダイドコロって何?」
まどか先生:「キッチン、ならわかる?キッチンは、本当は英語なのよ。日本語では「オダイドコロ」って言うのよ。今は、キッチンというお家のほうが多いかもね。「ダイドコロ」に、丁寧に言う時に使う「お」の音がついて「オダイドコロ、オ・ダ・イ・ド・コ・ロ」になってるの。覚えておいてね!」
子ども1:「そっか、わかった!カタカタカタは・・・むー、オバケかな?」
子ども2:「オバケ?お台所が明るいから、オバケじゃないんじゃない?ぼくはね、お鍋の音だと思う!」
子ども3:「うん。でも、カタカタはお鍋じゃなくて、お鍋の蓋でしょう?おなべの蓋がカタカタって鳴ってるの!」
子ども2:「うちでね『おでん』した時に鳴って気がする・・・」
子ども3:「シチューの時も、蓋はカタカタ鳴ってたよ!」
子ども1:「お味噌汁も鳴ってたかなあ。」
子ども4:「カレーでも鳴る?」
子ども3:「鳴るんじゃない?シチューとカレーって、ドロドロしてて、似てるもん。」
子ども2:「この間、パパがお休みの時、おでん作ったんだ。おでんの大きなお鍋がこんなふうに鳴ってたよ。そしたらね、お出かけから帰ってきたママがね、おでんはこんなに強い火にしちゃダメだってパパに言ったんだ。」
子ども4:「パパ、こわい顔した?うちのパパ、ママがなんか言ったら、こわい顔するよ。ねえ、なんで強い火はダメなの?」
子ども2:「むー、わかんない。」
子ども3:「わかる!焦げるんじゃない?残ったシチューをね、朝にまたあっためたの。そしたら、お鍋が焦げたんだって。ママがね、お鍋が焦げたら、洗うのが大変だって、言ってたよ。」
子ども達の話は尽きません。子ども達は、この「カタカタの音」について「教えてもらった」のではなく、自分の経験から話し、その話から、いろいろと思い出したり、感じたり、疑問に思ったことを話しました。自分にとって「身近なもの」として考えていければ、話しが尽きず、いろんな話しに派生し、考える連鎖、が起きます。子ども達は、とても楽しそうでした。
敢えて付け加えると、「子ども3」は、しっかり者の女の子。こんな会話からでも、その子の人柄も見えてくるもの、なのです。
2問目は、「ペーパーテスト」での問題。子ども達は、7,8人から15人程度のグループで、配布された紙の問題に向かいます。筆記用具は、学校によって様々ですが、単色のことは少なく、2~4色程度の色の筆記用具が用意されています。
☆問題☆
「すいか」「歯ブラシ」「きゅうり」「えんぴつ」「ひまわり」「せっけん」「あさがお」「さくらんぼ」「なす」「はさみ」の絵が、1ページにバラバラに描かれてあります。
先生:「ここにある絵をよく見てくださいね。あなたがスーパーマーケットに行った時、同じ売り場にあるものは、どれとどれでしょう?同じ売り場にあるものは、2つずつ。5つの売り場があります。同じ売り場にあるもの2つを同じ色のクレヨンを使って、〇で囲みましょう。売り場は5つあるので、5色のクレヨンがあります。」
この問題で問われているものは、「常識」ですね。仲間集め、という課題です。野菜、果物、花、文房具、雑貨、です。ただ、この問題がよく考えられているのは「仲間集めをしてください」という出題の仕方ではなく、敢えて「スーパーマーケットに行って・・・」とシチュエーションを定義されている、ということです。もし、その子がスーパーでの経験が少なくても、本や幼児教室で教えられた「仲間集め」の知識を使えば、きっと、5種類2個ずつに出来るはずです。ところが「スーパーマーケット
で・・・」と言われたとたん、まっすぐな子ども達の場合、「スーパーで買い物をしたことはあんまりない・・・」と思ったとたん、思考がストップしてしまう、ということもあるのですね。
また、「1種類を1色ずつ、5種類を5色。〇で囲む」ということを理解し、覚えていなければならない、ということも重要です。
3問目は、2問目の次の問題です。
☆問題☆ 3」
1つのページに、上の段に2枚、下の段に2枚の絵が描かれています。上の段は、「お花見の絵」、「雪だるまとスキーの絵」、下の段は、「お芋ほりの絵」、「海水浴の絵」です。
先生:「一つ前の問題で、あなたはスーパーマーケットで売っているものを、5つの種類の仲間に分けましたね。そこで分けた「果物」と「花」は、ここにある4つの絵の「どの季節のもの」だと思いますか?この季節だ、と思う季節の絵に「青のクレヨンで、×」を描いてください。
この問題は「季節の理解」です。
「すいか」と「さくらんぼ」、「ひまわり」と「あさがお」から「夏」を導き出す、ということです。
そして、「青」の指示と、「×」の指示。印は、大抵が「〇」なので、しっかりと聞いていなけてば、「夏」だとわかっても、海水浴の絵に「〇」をしてしまったのでは正答ではない、のです。
「うちの子は、本当はわかっていました!印を間違えてしまっただけですー!」これは、通用しません。「うちの子は、本当はわかっていました!色を間違えてしまっただけですー!」これもダメです。「指示されたことが聞けて、その通りに行動できる」ことが求められているのです。このことは、個性を軽んじていることでもありません。それは、別の次元の話です。
まどか先生メソッド(りんく)で大切にしている「聞く力」を養うことが、いかに大事であるか、ということも理解していただけるでしょう。