首都圏だけの特殊性
首都圏では、小学校は選べるのです
東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、この4つの都県にいったい何校の小学校があるでしょう?そして、その中に何校の私立小学校があるでしょう?じつは首都圏の4都県には私立の小学校だけでも、約90校もあるのです。地方と首都圏とでは、こんなにも学校事情が違うのです。
首都圏には、私立、公立ともに、大変数多くの学校があります。まずここが第一のポイントです。学校の数が多いからこそ、「どんな小学校で学ばせたいのか?」という選択肢が生まれます。
首都圏以外の大阪、名古屋、福岡、というような大都市でも、東京都や東京都寄りの神奈川県に比べると、私立小学校の数は極々少ないのです。これがそもそも、地方とは全く違った「学校事情」が首都圏にはある、ということなのです。
たとえば、とっても特別な日のために、新しい花瓶を買って、お花を飾ることに決めました。贔屓にしているお店に、素敵な花瓶がちょうど「1つ」ありました。迷わず、それを選び、そこに花を活けます。
しかし、もしそのお店に「青と赤と黄と緑」「AとBとCとD」と、いろいろな種類の花瓶があったとしたら?きっと、その花瓶の色や形、価格、諸々のことを比べ、選んだお花に一番似合うものはどれだろうか?と一生懸命に考えながら花瓶を選ぶことになるでしょう。
選ぶ時の条件は、自分の好み、お花とのフィット感、そして価格。だんだんと選択肢が狭まっていき、最後には、「たった1つ」の花瓶を選び出します。
このお話を、こんなふうに考えてみてください。お花は「我が子」、たった1つだけあった花瓶が「地方の小学校」、たくさん選択肢のあった花瓶が「首都圏の小学校」というわけです。
もちろん、地方にも知名度の高い名門校と呼ばれる伝統校はありますが、その多くは小学校ではなく、中学高等学校であり、名門である所以は名門大学への進学率であったり、偏差値の高さであったり、わかりやすい「数値的な」バロメーターであると言えるでしょう。
かろうじて、地方にも大学の付属校としての私立小学校はありますが、そういう小学校の人気の高さは、やはり大抵が「大学まで進学しやすい」ということがメイン。首都圏の私立小学校のように、小学校そのものの人気、小学校から高校までの一貫教育環境としての素晴らしさ、というような人気の理由はほとんど見あたりません。
首都圏には、偏差値の高さや、大学の付属だというだけの理由ではなく、小学校そのもの、小学校から高校までの一貫校としての私立校で、「格式と伝統を持った多くの学校」が存在しているのです。
それぞれの学校には創立者がいて、建学の精神があり、それを柱に教育が行われています。いろいろな修道会を母体にしたカトリック校もあれば、プロテスタント校もあります。お寺や一つの宗派を母体にした仏教の学校もありますし、創立者の教育理念に則った無宗教の学校もあります。男子校、女子校、共学校、小学校しかない学校、小中の一貫校、小中高の一貫校、幼稚園から大学まである大きな学校法人が母体の学校もあります。それぞれの学校には、それぞれの色合い、空気があり、伝統校の場合には、何十年も脈々とその伝統を受け継ぎ、比較的新しい学校は、改革を重ねてより良い教育を求めているでしょう。
首都圏の私立小学校の真の存在意義を理解するためには、両親がご自身の受けた教育、育った背景だけを「我が子の教育を考える時のスタンダード」としていては、首都圏の私立小学校というものはなかなか理解できないでしょう。「僕の小学校は、こんな風ではなかった」「私の学校は、~で素敵だった」と、狭い視野だけで判断しようとすれば、首都圏での選択肢のある教育事情を無駄にしてしまうことになります。(「地方」と「首都圏」の小学校」もご参考に。)
幼児教室マナーズ では、ご両親が受けた教育も大切にしながら、首都圏の教育事情も合わせて考え、家庭と一緒に「目指す方向」を考えていきます。説明会や行事への参加、志望校を決めていくこと、等々、すべて両親が不安な手探りではなく、納得し、安心して進めていけこと、が何より大切ですね。