「日本語力」を磨くこと

公立小学校でも「ネイティブの先生の英会話の授業」が一般化されてきている時代です。しかし、母国語の重要性を見落としてはいけません。

言葉は貴重な「文化」である

現代の親が見落としがちなことは、我が子の「日本語の習得」の重要性です。

昨今、「海外に目を向けること、外国語を習得させること」を良しとする傾向にあります。そういう風潮が生まれて以降、「正しい日本語」「美しい日本語」に深い関心を示さず、無頓着な両親の何と多いことか。

多くの家庭では「日本人なんだから、当然、日本語は話せるじゃないの。何か心配しなきゃいけない?」というふうに考えているのでしょう。

言葉は乱暴ですが「猫も杓子も、英語、外国語」と奔走する時代です。しかし忘れてはいけないのは「言葉は文化」だということです。コミュニケーションのための道具でありながらも、そこには日々の生活で脈々と培われてきた一つの「文化」があるのです。もちろん、これは「言語」に共通することですので、英語でもフランス語でもドイツ語でも中国語でも、すべての言語で同じことが言えるのです。言葉は、その国、その民族を表す「文化」なのです。

実際に、グローバル化が叫ばれるようになって以降、ここ10年間で子ども達の言語力(日本語力)は大きく低下しています。日本語力が未成熟のままで成長してしまうために、正しい日本語(あらためて、日本語は母国語です)の話せない大学生、社会人も少なくはない。これは、母国語を大切にしなかった功罪です。

幼児教室マナーズ では、「聞くこと」「話すこと」をとても大切にしています。「母国語である日本語を大切に、学習を進めること」これが、まどか先生メソッド の中心にあります。
言語力を高めることは、その子の様々な面を大きく成長させていくことになるから、なのですね。

日本語力低下の問題点とは

現在、どの私立小学校でも日本語力の低下を危惧し、小学校受験時に「言語の分野」のテストを多く出題されるようになっています。

どうして日本語力の低下を危惧しているのか。それは、本来の「意思の疎通のための道具」としての言葉を使えない子が増加していることへの懸念です。では言語力が低いとどんなことが起こるのか、想像してみてください。

例えば語彙も少なく、表現力も乏しいために、自分の思いを上手く相手に伝えられません。しかし、どの子も核家族の中で、王子様、王女様のように育っているために、総じて我がままで、自分の思い通りにならないと、すぐに癇癪を起したり、キレる状態になります。相手も同様に癇癪持ちでキレるわけですから、ここでいさかいが勃発します。こんな状況の中で、力の優劣がつくと、それが「いじめ」に発展することも容易に考えられるのです。

また、授業でも「先生の話が理解できない」というような問題も出てきます。これも、語彙力不足によるものです。言われることが理解できないから、当然、授業が面白くない。面白くないから興味を無くす、負のスパイラルですね。

英語教育は、一種の「人寄せパンダ」

現在、どんな私立の小学校でも外国語教育に力を入れている、ということを強くアピールしています。「週に〇回はネイティブの先生との日本語ゼロのクラスを設定しています」「週に〇回は日本人の先生、〇回はネイティブの先生、という体制で英語の授業をしています」「英語以外、〇語、〇語の授業もあります」等々。

しかし、ある意味こういう「外国語教育についての取り組み」をアピールするのは、外国語教育が大好きな?!昨今の志願者の目を引くための人寄せパンダでもあることを知っていなければなりません。私立校はもちろん教育の場ではありますが、そこが国立や県立(都立、道立、府立)、区立、町立、村立ではない限り、独立した「私」の企業でもあるのです。そういう意味では、学校とは言えども、企業努力という意味で時代に即したアピールは必要、ご理解いただけますね。

グローバル化が叫ばれる今の時代、「外国語教育」「ネイティブスピーカー」等々の言葉は、若いご両親達に大きくヒットします。「おー、いいんじゃない」と。でも、話を振り出しに戻しますが「現在、どの私立小学校でも、日本語力の低下を危惧し、日本語力がどれほどある子なのか、日本語を大事にしている家庭か、を学校は見ているのです。

考査で必要になる聞く力と話す力

「テスト」「試験」と聞くと、ついつい「問題用紙に書かれた設問を読んで、その問題を理解し、考え、解く」ということを想像するでしょう。
しかし、小学校受験に臨む子ども達は、幼稚園児、保育園児です。そしてその子ども達は小学校入学後、そこで初めて「日本語の読み、書き」を習うのです。このあたりのお話は、「どんな準備をすれば良いのか?」をご参考に。

小学校受験では、子ども達自身が問題を「読んで、解く」ということはあり得ません。すべての問題は「口頭で出され」て、何度も繰り返して出題されることはありません。つまり、受験生である子ども達は、出題された問題を耳で聞き、理解し、そして解いていかなければなりません。時には、問題は「〇〇してください。」という指示もあります。その指示を「聞いて」理解し、その指示通りに行動しなければならないのです。

「あなたはどう思いますか?」や「この絵について説明してくれますか?」のような問題もあります。その場合は、耳でたった1度だけ聞いた出題の意味を理解し、「自分の思い、考えを正しく表現しなければならない」のです。
このように、小学校受験のテストでは、結果的に高い言葉の理解、言葉の表現力、語彙力が求められることになります。
だからこそ、小学校受験を考えたならば、「まずは、家庭生活、日々の暮らしの中で、母国語である日本語力を高めること」を何よりも第一に考えなければならないのです。

まどか先生メソッド では、このことを十分に踏まえた上で、年中児クラスから「聞く」「話す」「説明する」というようなことを、訓練ではなく、楽しい会話の中で育てていきます。また、家庭生活の中での「言語力の育て方」などのアドバイスやノウハウもたくさんご両親にお話をします。
小学校受験を「子どもの成長」「家庭力アップ」のための良いチャンスとして捉えているのが、幼児教室マナーズ の20余年の教育です。