コロナ禍での小学校受験③ 課題画、自由画を描く

小学校受験では、課題画、自由画、共によく出題されるものです。
絵を描かせるテスト、となれば、大人はついつい「上手でなければいけない」と思ってしまいがち。けれど、いかがですか、パパママご自身は、絵が上手でしょうか?
 世の中に、それほど「上手に絵を描ける人」はたくさんいるものではありません。それに、この「絵を描くという課題」は、美術系の大学受験ではなく、たった5,6歳の子どもに、長くても15分程度で与えられる課題です。
…と、こんなふうに落ち着いて考えていけば、「うんうん…確かに、こういう絵のテストで求められていることは、上手さではなく、別のところにあるのかもしれないな。」ということに気づいていただけるはずです。
 このコロナ禍では、「楽しいお出かけ」もなかなか出来ません。「今日は楽しかったね。ほら、○○した時の絵を描いてみたら?」などと、ハッピーなお出かけを題材に、子ども達に楽しく絵を描かせてみる、というのも難しい状況です。
 コロナが始まってからは、何もかもが「普通にはいかない」「難しい状況」になってしまいました。でも、こんな状況下だからこそ、何事もマイナスばかりに焦点を当てて嘆くのではなく、気持ちを楽にしてくださいね。

課題画でも自由画でも、実際には「指示行動のひとつ」です。
出された課題をその場で子どもが理解し、与えられた時間内、真剣に一生懸命、根気よくその課題に取り組む!そういうことが出来るかどうか?そういう姿勢が育っているかどうか?を、絵を描くことによってみてみましょう、というのが学校の狙いです。極論を言えば、上手であろうが、下手であろうが、そういうことは二の次。真面目に取り組む姿勢が求められているわけです。
 
 こういうことを理解した上で。
子どもが自分自身で「上手に描けない」と悲しい思い、腹立たしい思いをしているとしたら、まずはこんなリードの仕方をしてあげませんか?
 絵を描く場合でも、いきなり絵を描き始めさせません。
例えば、子どもが「動物を描きたい」とします。
 たとえば、動物を描くとしましょう。
象を描く、キリンを描く、ネズミを描く… まずは口頭で「象の特徴」を言葉で表現させてみてください。きっと子どもは「象は大きい!」「象の鼻は長い!」「目が小さい!」「足が太い!」「象は、灰色みたい。」等々、言ってくれることと思います。
 同じように、キリンやネズミ、でもやってみます。

 じゃあ、乗り物を描く場合はどうでしょう?
車を描く場合、バスを描く場合、電車を描く場合、トラックを描く場合・・・この時にも、その特徴を考えさせてみます。
 こんなふうに子ども自身が「描こうとしているものの特徴」を考え、表現することによって、結果的に、そのものの絵をより描きやすくさせることにつながります。
 灰色のクレヨンを持って、長い鼻から描き始めても良いですよね。「こんなにながいよ~!」などと描いてみて、色を塗れば、きっと「象の鼻」に見えてきます。そこで、すかさず言ってあげましょう。「きゃー、ほんと、象の鼻!象の鼻!上手!」と。そうすれば、必ず「次」の耳や体、目…も描こうとする気になるのです。
 同じように、乗り物でも、食べ物でも、人でもやってみてください。まずは子どもに考えさせます、色や形等々… そして、その特徴の部分から描いてみる!
 
 課題画や自由画を、単なる「絵を描く」時間としてしまわず、しっかりと考え、上手に表現させる時間としても使い、子どもをリードしてあげましょう
「考える」という作業こそが、子どもの真の成長を促し、言語力、表現力をも育てることになります。