「経済大国 日本」今この瞬間も、日本から遠く離れた世界中のいたるところで、多くの日本人が活躍をしています。国情や文化の異なった国々で、仕事をするご苦労、同時に、お父様をサポートするご家族の気遣い、心配り・・・どれもこれも並大抵のものではないでしょう。特にまだ幼い子供と一緒の海外赴任生活は、気候や風土の違いからくる病気への注意や、安全に暮らすための対策などの基本的な配慮は言うまでもなく、帰国後の子供の教育についてのご心配が、非常に大きくなっています。 そんな状況の中で、もし、帰国後に私立小学校受験をお考えであれば、どうぞ以下の2点にポイントを起いてお考え下さい。
◆まず第一点は、学校選びです
さまざまな項目でも触れていますが、私立小学校受験の場合、知能テスト的な考査の結果のみで合否を判断されるものではありません。(このことに関しては、是非「」の項目をよくお読みください。)選抜の判断に関しては、上記のような偏差値的な結果プラス、「ご家庭、ご両親の雰囲気」等、数値では表すことのできない「プラスアルファ」が大きくかかわってきす。この「プラスアルファ」が、学校と家庭の「縁」でしょう。この縁に関しては、なかなかすべてを言葉で表現することはむずかしいことですが敢えて言うならば・・・
★ 学校が求めているものとご両親が子供の教育に求めているものが同じであるかどうか?
★ 学校と家庭が、子供の教育に関して、同じ方向に向いているか?同じものを目指しているか?
★ 伝統に培われた各学校の空気、雰囲気に、家庭やご両親、子供が醸し出す雰囲気がぴったりと合うかどうか?
ここで、大切になってくるのが「学校選び」です。どんなにご両親のイメージの中で○○校がいい!と思い込み、憧れたとしても、その学校の目指すものと、ご家庭の目指すものが大きく違う、とか、学校の雰囲気にご家庭が馴染めない、ということであれば、きっとスタートの時点で、その学校とは縁は生まれない、と考えるべきです。なぜなら、そこは一つの「環境」だからです。
たとえば、ここに2つの総合商社、AとBがあったとします。二つは、ともにほぼ同じようなものを扱い、商っています。しかし、きっとその二つは、商談先の選び方、商談の進め方、決済の仕方、いろいろと違いがあるはずです。当然、A社とB社の雰囲気が違えば、社員の感じも違ってくる・・・ まさに学校も同じです。
子供に初等教育をする、という面では同じでも、教育に関する理念の違い、使う教科書や教え方、そこで教える先生のタイプ、子供に求めるもの・・・いろいろと違うのです。
A社を良しとする会社もあれば、B社を最初から毛嫌いする会社もある。商社だから同じ、ではないように、小学校なんだから同じ、ではないわけです。
という事で、わが子、我が家に合った学校選びをするために、私はなるべく多くの学校に実際に足を運んでいただく事をお勧めしています。学校からいただく「学校案内」や「学校要覧」ではなかなか空気まではつかめないものです。また、学校説明会は、これから行きたいと思っている人の集まりですから、本当にその学校の雰囲気を知るためには、実際にその学校でお世話になっている親子が集まる学校行事に参加して、雰囲気を知る事が大切でしょう。
しかし、海外においでになる方、帰国して間もない方には、なかなか物理的、時間的にそういう事はむずかしいことですね。しかし、それでも尚、「こういう学校選びが大事なのだなあ」という事は十分にご理解ください。そして、一時帰国をされた時にタイムリーに学校説明会や行事がなかったとしても、わが子によいのでは?と思う学校には、一般の登校下校時でも良いですから足を運んでみましょう。きっと、字面からは見えないものが、「五感」で感じられるはずです。
第2点は、日本語の習得です。
帰国間もない方の多くは、ご相談に見えて必ずおっしゃいます。
「せっかく覚えた英語(赴任先の外国語)ですから、それを大事にしたいのです!」
しかし、単なる思いつきではなく、真剣に私立小学校受験をお考えになるのであれば、まずはこの思いは改めるべきです。そして、しっかりと認識をしてください。
日本人として生まれた子供が、本来は生活の中で当たり前に母国語である日本語にかこまれ、それを聞き、真似ることによって自然に言葉を習得していくべき幼い時期に、たとえ、それが親の仕事というやむを得ない事情であったとしても、そういう自然な習得が叶わなかった、というマイナス面は理解すべきです。日本とは違う風土や文化の中で、家族揃って貴重な経験が出来た、というプラス面はもちろん大いに評価すべきことですが、「言葉の発育」という面では、やはりマイナス面が大きいのです。日本人である限り、日本語の習得は不可欠であり、言葉が文化である以上、その習得から学ぶものは大きいのです。
時代は21世紀。世の中では、国際人という言葉が定着し、若いご両親は我が子の外国語学習に躍起です。しかし、まずははじめに「母国語、日本語ありき」です。
私は大学在学中から、子供の英語教育に携わり、結婚までの5年間、子供に英会話を教え、同時にヨーロッパやアメリカ、カナダで開催される子供向けの様々なキャンプに通訳兼子供のお世話係として添乗しました。こういう生活の中で日本人の英語力のなさに呆れ、憤りを感じていた一人として、確かに子供の英語教育の重要性を認識しています。
しかし、それでも尚、まずは「日本語」です。
小学校受験の考査の中では、多くの言語の問題、季節、行事、習慣など、日本人として当然知っているべき知識や習慣、ご家庭で守っているべき風習などの問題が出題されます。この世界の狭くなった現代、英語教育に力を入れる学校が飛躍的に増えた状況の中でも、なお、こういう傾向が強いのは、それが日本人としてやはり守るべき大切なことであるからなのです。
自由に外国語を話していた境遇を大切にしたい!、それもわかります。しかし、本当は・・・ わずか3才、4才、5才の子供が話していた幼児語まじりの外国語は、本当にそれほどにすばらしいものだったでしょうか?少なくとも、受験を考えた場合には、日本での「失われた時間」のほうを意識すべきです。
長年異文化の中で育った我が子が、急に帰国し、幼稚園や保育園のような新しい環境にポーンと放り込まれ、毎日、同年齢の子供達の中で初めて日本語のシャワーを浴び、どんなに混乱し、苦労をするかをわかってあげましょう。こういう子供の苦労を本当に理解し、何とかフォローしてやろうと思うお父様、お母様であれば、きっとつたない外国語を大事に守ることよりも、日本語の習得のために一生懸命に時間を費やされることと思います。
先ほど、考査に出題される「季節」についてふれましたが、これも文化的な要素の強い問題です。しかし、これも帰国子女にとっては非常にむずかしい問題です。ギラギラと照りつける太陽と真っ青な空の下、南の国でクリスマスを迎えていたとしたら・・・ 日本の寒いお正月をイメージすることは出来ないでしょうし、実感もありません。季節感は、生活していてこそ、実感できるもの。季節は「学習」するものではなく、体験から感覚として覚えるものなのですね。
帰国子女の場合、どういう準備をするか、非常に大事です。 ご両親と一緒に、問題を一つ一つクリアしていきましょう。
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