











経済大国 日本 - 今この瞬間も、日本から遠く離れた世界中のいたるところで、多くの日本人が活躍をしています。
国情や文化の異なった国々で、仕事をするご苦労、同時に、お父様をサポートするご家族の気遣い、心配り・・・どれもこれも並大抵のものではないでしょう。特にまだ幼い子どもと一緒の海外赴任生活は、気候や風土の違いからくる病気への注意や、安全に暮らすための対策などの基本的な配慮は言うまでもなく、帰国後の子どもの教育についてのご心配が、非常に大きくなっています。
そんな状況の中で、もし、帰国後に私立小学校受験をお考えであれば、どうぞ以下の3点にポイントを起いてお考え下さい。
さまざまな項目でも触れていますが、私立小学校受験の場合、知能テスト的な考査の結果のみで合否を判断されるものではありません。(このことに関しては、是非「私の考える小学校受験」の項目をよくお読みください。) こういうことがきちんとクリアされ、子どもに学校が必要と考えるだけの「力」が備わっていれば、学校との縁が生まれるのです。
ですから、ここで、大切になってくるのが「学校選び」です。どんなにご両親のイメージの中で○○校がいい!と思い込み、憧れたとしても、その学校の目指すものと、ご家庭の目指すものが大きく違ったり、面接等で先生方がそのご家族と会った時、瞬時に「何か違う・・・どうも我が校の父兄としては相応しくない」という感情が生まれた場合には、絶対に「縁」は生まれないでしょう。
たとえば、ここに2つの会社「A」「B」、2つの病院「C」「D」があったとします。2つの会社「A」「B」は、ほぼ同じようなものを扱い、商っています。2つの病院「C」「D」は、同じように全科の揃った総合病院です。
しかし、きっと会社も病院も、取引先や患者が「感じる」ものは違うはず。会社の場合は、商談の進め方、社員の醸し出す雰囲気は、2社はきっと同じではないはず。なぜなら、その会社の方針や、社員教育が違うからです。
病院の場合も、病院長や事務長の方針によって、治療や処置の施し方、入院や手術に対する方針は違ってくるでしょう。「C」「D」どちらも、患者に医療を提供し、疾患の治療をする、という基本点では同じものなのに・・・です。
まさに学校も同じです。
子どもに初等教育を施す、という面での役割は同じでも、教育に関する理念の違い、使う教科書や教え方、そこで教える先生のタイプ、子どもに求めるもの・・・いろいろと違うのです。「A」に好感を持つ取引先もあれば、「A」を嫌い「B」を良しとする取引先もあるでしょう。次に受診するなら「C」ではなく「D」にしようと思う患者もいるでしょうね。同じものを扱う会社だから、総合病院なんだから、それらはどちらでも同じ・・・ではないように、小学校なんだから同じ、ではないわけです。
このようなことから、各家庭に合った学校選びをするために、私はなるべく多くの学校に実際に足を運んでいただく事をお勧めします。
海外にいるから、学校に足を運ぶことは出来ない・・・ということだとしても、最低限、学校説明会には行ってください。そして、「学校案内」や「学校要覧」をしっかりと見ること。
現代は、幸いなことに、各学校がそれぞれのホームページを持っている場合が多いものです。その内容にじっくりと目を通すだけで、案外、学校の持つ「雰囲気」も伝わってきますよ。そして、一時帰国をされた時には、わが子によいのでは?と思う学校の登下校時にでも行ってみましょう。目の前の生徒から、きっと、学校案内や学校要覧の字面からは見えなかったものを、「五感」で感じられるはずです。
すでに赴任先から帰国を果たされた方は、やはり、是非、学校に足を運びましょう。そして、もうひと押しのアドバイスは、すでにその学校でお世話になっているご父兄が集まる学校行事に参加してみて、雰囲気を知る事です。もし、そこにいる人達に違和感を感じるならば、その学校は受験するべき学校ではないでしょうね。人は、自分とあまりに異質のものを感じる空間にはいることはできないものです。そこが、わが子の学校だとしたら?
その学校の父兄になることは、幸せではありませんね。
小学校受験の考査の中では、多くの言語の問題、季節、行事、習慣など、日本人として当然知っているべき知識や習慣、ご家庭で守っているべき風習などの問題が出題されます。
国際化が叫ばれる中で、これらの出題数が減っていかないのは、国際化が進んでいくからこそ、個々のアイデンティティー、自分が何人であるか?ということが、一層大切にされているのだ、ということがうかがえます。
しかし、海外在住の場合は、もし、日本人学校付属のナーサリーのようなところに通っていたとしても、気候風土の違うところでの行事はなかなか五感を通じて理解しがたいものでしょうし、国を挙げて実施する行事であるからこそ、子どももその感覚が身に付くものです。
ですから、海外に駐在中は、きっと、その駐在をしている国の季節感や、その国の行事や習慣のほうが、きっと子どもにとっては身近であり、親しみが持てるはず。
ですから、帰国子女にとっては非常にむずかしい問題、それが「季節や行事、生活習慣」に関する問題なのですね。
ギラギラと照りつける太陽と真っ青な空の下、南の国でお正月を迎えていたとしたら?きっと、日本の寒いお正月をイメージすることは出来ないでしょうし、実感もありません。
テレビではひな人形のCM、五月人形のCMが流れ、桃の便りや菖蒲の映像などを頻繁に目にするからこそ、雛祭りも端午の節句も、何となくではあっても、「知ってる、わかる」という感覚が芽生えます。
季節感は、生活していてこそ実感できるもの。季節は「学習」するものではなく、本来は体験から感覚として覚えるものなのですね。しかし、海外に駐在中、帰国子女の場合、それは無理な注文でしょう。
だからこそ、小学校受験における「季節や行事の理解」が持っている意味を親がしっかりと理解し、帰国後は決してそれらをなおざりにせず、どういう準備をするか、どのように子どもに理解をさせるか、という工夫をしてください。
大切なことは、正しいご両親の認識です。問題を一つ一つクリアし、着実に歩を進めていきましょう。