●それぞれの家庭には色合いがあります
それぞれの家庭に「色合いがある」と言えば、その意味はおわかりいただけるでしょうか?
たとえば、ここに2つの家族があります。夫35歳、妻33歳、そして子供2人、5歳と2歳。字面を見れば、全く同じ2つの家族、ですね。しかし、もし、みなさんがこういう字面ではなく、ここで上記のような家族構成の紹介とともに、5分間の家庭内での様子を撮影したビデオを見たとしたら…?
きっと、ビデオをご覧になった後では、2つのご家族にかなり違う印象をお持ちになるのではないでしょうか?字面だけの家族紹介ではイメージできなかったような…
そう、これが、家族それぞれが持っている「色合いである」と、私は考えています。
この色合いは、家族を構成する、夫、妻、子供達、それぞれの個性に大きく影響されます。そして、その個性もまた、本人が育った環境、受けた教育、生まれながらに持った気質、性格に大きく左右されています。
さあ、このような亊を十分にご理解いただいた上で、話しを「私立小学校受験」に戻していきましょう。
●重要な二つの柱
私の考えでは「私立小学校受験」には、2つの柱がある、と思っています。
まず一つが、『子供が持つ力』です。もちろん、力を能力という言葉に置き換える亊もできますね。考える力、判断する力、表現する力、我慢する力、ひたむきに頑張る力…これらはまさに「生きていく上で必要な力」です。そして、その力の中には「知力」という力もあります。こういう総合的な「力」が、一つめの柱、です。
2つめの柱、それが先ほどから一生懸命に伝えようとしていた『家庭の色合い』です。そのご家庭がどういうご家庭であるか?どう言う父親、どう言う母親なのか?どんな家庭、どんな雰囲気の中でその子は育てられているのか?家庭全体には、どんな雰囲気?どんな空気が漂っているのか?…
もし、2つ以上の学校見学や、学校説明会にお出かけになったご経験のある方は、同じ小学校とは言え、それぞれに「違った雰囲気」「違った空気」が漂っていた亊をお感じになったのではないでしょうか?そう、一般的に言う「学校のカラー」ですね。言い換えれば、それは学校のまさに「色合い」です。
みなさますでにご存知のように、私立の学校には、各学校に、特色ある教育方針、教育理念があります。そこに、一つのカラーが生まれます。そして、その掲げる教育方針を良しとして集まってくる生徒達、そのご家庭によって、もっともっと、そのカラーは確固としたものとなり、本来は無機質な学校というもののなかに、一つの空気、雰囲気が生まれます。
さあ、私の言いたい事が、そろそろボンヤリとでもおわかりいただけるでしょうか?
先ほどからお話をしている「家庭の色合い」そして、「学校のカラー、色合い、空気」がピタリと合う事、これも、とても大事な亊でしょう。これが私の考える、2つ目の柱、です。
つまり、子供の持つ総合的な力と、学校と家庭の持つ色合いが合致した時、そこに「家庭と学校の縁」が生まれます。それが、合格する亊、だと私は考えているのです。
●みにくいアヒルの子
しかし、残念ながら、この2つ目の柱を、全く意識せず、一つ目の「子供の力」ばかりに着眼し、無理な詰め込み式の受験準備に奔走したり、ペーパーの点数や偏差値という数値ばかりに固執し、全く学校の色合いとご自分の家庭の色合いという亊を意識せず、ただただ突っ走るご家庭もある… 未だに、「知力」という面での子供の力を伸ばすが正しい受験準備だと思い込み、全く深い考えもなしにご自分の家庭と「ベクトルの違う学校」ばかりを志願し、せっかくのお子様の努力、身につけた力を無駄にしているご家庭がどれほど多い事か… 私は残念でなりません。
受験が終わった時に残ったもの、それは親子ともに疲労困憊した心身と、二度と思い出したくない受験期間の記憶… そんな悲しいことは、絶対にあってはいけないのです。
デンマークの作家、アンデルセンが書いた「みにくいあひるのこ」という童話はご存知ですね。白鳥のたまご一つが、あひるの巣に紛れ込み、生まれたとたんに「他とは違う」ために、そこでは異端児となる… あるべきところに、あるべき物がある、いるべきところに、いるべき人がいる… 私立小学校受験の世界も、まさにその通りです。私は、13年間の経験上、小学校受験とは、そういうものだと実感しているのです。
小学校受験を、ご家庭で取り組む一つの大きなイベントと理解し、ご両親があらためてご自分達の家族、家庭を再認識し、親として子供に求めるもの、家庭として目指すものを明確にしながら、家庭の色合い、カラー、雰囲気ピタリと合う学校を時間をかけて探すのです。幸い、首都圏にはたくさんの私立、国立小学校があります。必ず、真摯な気持ちで各学校に相対すれば、自ずとご自分達の「五感」で、ピピピッとくる学校がいくつか見つかるに違いありません。
そこがご自分達の母校でない限り、「まず、志望校ありき」ではないはずです。夢の学校、憧れの学校に、ご自分達の家庭を「合わせよう」という考えには大きな無理があります。30数年かけて培ってきたご両親の個性、人となりを、そんなに簡単に修正出来るはずはないわけですし、そういう付け焼き刃、その場しのぎの「似非家庭の姿」は、浅はかなものです。
ご自分達をあらためて見つめ、そして、親として、家庭として進もうとしている道を見極め、同時に子供の成長を促し、「自分で考え、判断し、行動できるさまざまな力を身につけさせる」それが、小学校受験の準備である、と私は考えています。
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